(第一巻が発売されたところで)俺は旅をしている訳だけど、その旅は(作者の一存で)大きく端折られている。…ので、その説明をしておこうと思う。…まあ想像は付くだろうがな… | |
旅行、旅行っっ!!!(ウキウキ)やっぱいいねぇ、狩猟!野営っ!!野宿!っっ!! | |
……ばか。そんなんでこの長い旅路を生きていけるのは、お前ぐらいだよ…っつうか、平気で肉を食うな、肉を(汗)坊主だろうが、少しは戒律を気にしろ。 | |
人間の腹は弥勒よ。俺が生きながらにして悟りを開くって云ったら…食欲と酒欲でだね!(得意気) | |
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(酒欲ってなんだ…:汗)ま、どうしようもなく野営をすることもある訳だが、当時の野営はある意味で命の危険もあった。野生動物は出る、山賊はいる…疫病だってある訳だから迂闊には野宿なんて無理な訳だ。そこで登場するのが「駅」なんだが…まあいわゆる「旅籠」というわけだ。俺達は「牙城」と「駅」を経由して目的地に向かう訳だが… |
「牙城」ってのは門限があるんだよな、門限…(ブツブツ) | |
…お前、どっかの女子高生か?(素) | |
何だ?…ジョシコオセエって…? | |
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(素無視)まあ、このむさ苦しい女子高生が言うように「牙城」(街をくくる城壁)には開城と閉城があって大体、朝6時に開城され、夜も7時頃に閉じられた。盗賊や侵略からの防壁だが…まあ「県」や「府」は国そのものだから守る必要があったんだな。なので夕方から朝までは一切の出入りが禁じられた訳だ。…と云っても、「駅」の方が格段安い賃金で宿泊出来るし、ある程度は開けた道中にあるからまま利用出来る。 |
でもなぁ…「駅」の布団は嫌いだなァ…シラミ貰っても文句言えねぇぞ。それ程綺麗な塩梅でもないしな。時には「駅」自体が妖しげな肉饅頭を…… | |
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まあ、当時の旅は何かにつけて安全ではなかったという訳だ。交通路は張り巡らされていたし、関も設けられていたが、賊が跋扈している時代だ……智深が云うとおり、野宿の方が安全な場合もあるだろうな。 |
でも「駅」のあの自炊ってのも…なかなか楽しいんだよな!…そこらの出店で食材買って… | |
宿泊施設と云っても様々だからな。食事付きで泊まれるところもあれば、自炊のところもあるし…素泊まりもある。中にはいかがわしい店もあるし…… | |
目開けたら、隣にマッパの女が寝てました!!…なぁーんてな!(笑)そんで、暴利な宿代取られンだよなぁ… | |
体験してきたような口ぶりだな…(汗) | |
まあ、俺にも色々ある訳よ…(素) | |
イヤ、だからお前は坊主…(滝汗) | |
(素無視)でも環境もやばくて野宿は出来ない、「駅も」ないって時は、(今回みたいに)村の名主の家や個人の自宅に宿を借りることもあったんだな。まあ、なんていうか…旅人をわざわざ招く富豪もいる訳だし。 | |
あまり常用はしたくないがな…迷惑だし。…特にお前とは(素) | |
まかせとけ!寝食豪勢なモンを期待しろよ!!(腕振り) | |
だからヤメロって……!!!(滝汗) |
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…そもそも政府機関ってどういう働きをしていたんだ?まあ、そのご時世ごとに政治のことを知り尽くしている人間なんてそうはいねぇと思うし、大半は俺みたいに「何となーく」生きてるんだろうけどよ…? |
まあ確かに、その通りだな。俺は役人だからある程度は把握しているけど…やっぱり他の機関のことになると詳しいことまでは解らないよ。 | |
でもそこは強引に説明しろ!分かりやすくな! | |
無理難題云うなよなぁ……(汗) | |
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まあ、気を取り直して説明していこうか。基本的に宋代の中国は「三省六部体制」なんだよ。つまり「三省」と「六部」に別れて文書行政(現在の管理職に相当)を担ってる訳だ。そして更にその下には「九寺五監十六衛」がある。ここは実務担当だ。つまりは「三省六部」で取り決められたことを「九寺五監十六衛」が命令を受けて動いている。そして更に「御史台」と云うところもあって、これは官人を監視する検察官達だ。更には「枢密院」と呼ばれる禁軍・廂軍を取り仕切る軍政。そしてそれらは「宰相」という………(うんたらかんたら) |
ばか、わかんねぇよ(素) | |
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(バカはお前だ)…つまりだなァ、現代のこの国(日本)に(強引に)置き換えるとだ…「三省六部」は総理大臣を含む内閣僚、「九寺五監十六衛」は内閣僚が率いる「省」って感じかな。それとは別に宋代の国家では「御史台」があって、公平を保つ為にそれらを監視していた。ま、この奸佞が跋扈する世界での「御史台」は国会議事堂の便所の片隅でカリカリになった芳香剤ぐらいの役割だろうが……、同時に皇帝直属、別腹扱いの「後官」(宦官グループ)とかもあったり。これはどっちかって云うと江戸時代の「大奥」みたいな存在かな…。ともかく代々続いた権力なんかも相まって、政治に横槍刺す部署は点在していた訳だ…ま、後半は余談だけどな。後、この時代は軍事国家だから、軍隊がいるのは当たり前…それを担うのが「枢密院」だ。それに「宰相」はいわば「国会」だ。「三省六部」から選出された「宰相官」達は「宰相」で会議を設け、取り決められたことを皇帝にご意見陳列するってシステムなんだな。 |
……? | |
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(素無視)「三省」は「中書省」「門下省」「尚書省」……「六部」は「吏」「戸」「礼」「刑」「兵」「工」だ。「中書省」は代行詔勅立案、「門下省」はその詔勅をチェックし、是非を決める。官人等の意見陳述を皇帝に拝する役割もある。「尚書省」は「門下省」を通過した詔勅を実行に移す。実質、「尚書省」が「六部」の統括を行っている訳だ。 「六部」に関しては「吏」は人事。「戸」は財政。「礼」は祭祀。「刑」は司法。「兵」は国防。「工」は土木業務…大まかにこんな具合に分類されていた。
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解った解った。政府機関てのは昔も今も解りにくーいものだってことだな! | |
…まあ、そうだな…(お前に説明するのが間違ってるな) | |
ふーん、でも他にも役所ってのは点在していたんだろ?北宋は広いんだからよ…そうじゃねぇと、他府州県も含む全民に法律が行き渡らねぇもんなぁ? | |
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うん、そうだ。上のは首都、開封府に置かれた「中央政府」であって、地方の府州県(行政区画)にもそれに習った機関が置かれていたんだ。小型の立法制度が各府州県ごとにあったという訳だな。現在の「県庁」みたいなものだろう。現在の中国でもそうだが統治国家であるから、行政区画はある程度分けられてそれぞれに自治をしていた。そしてそれらの元締めが中央政府=皇帝だったわけだ。 |
ナルホドな~。でもそんなコトしてたら力を持った府とか州とかは反目したりしねぇのか?俺が府の知府(一番えらい人)だったら絶対反目するぜ! | |
…つくづく、お前がタダの暢気な坊主で良かったと思うよ。…そうならないように「中央政府」は地方に役人を派遣して、管理職を置いていたんだぞ。 | |
…それ聞いただけで、悪辣な臭いがするよなァ…その臭いを感じるのは俺だけか? | |
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……。(まあ確かに、地方衛門の癒着と汚職の臭いがする)でも、それがないように人事移動ももちろんあった訳だぞ。ともかく、地方役所の事や各々の職種についてはまた別口で説明するとしようぜ、(お前の5%くらいしか活動していない脳では)ややこしくなってくるだろう? |
(素無視)ま、そんな蓋してもクセぇ臭いが漏れてくる話はおいといて。…ところでお前は東京開封府の役人だよな、林冲?お前はつまりなんて云うお役目で、どういう肩書きがあるんだ? | |
現在のところ、俺は「三省六部」内の「刑部(ぎょうぶ)」、つまり現在の「法務省」でそこの長官である黄達尚書の「間者」と云うことになってる。 | |
…どーも、アバウトな職種だな…(素) | |
じゃ、智深…お前はなんて言う肩書きなんだよ。 | |
えーと、「大相国寺・菜園番」……。 | |
お前も物凄くアバウトだよな…(溜息) |
さて、「ネリヤカナヤ」はもうご存じのとおり、「水滸伝」を基盤としている物語なんだが…「宋代」もしくは「北宋」と呼ばれる時代の中国がどんなモノだったかをある程度、説明しておこうと思う。 | |
うーん…「めんどくせぇ」って思ってる奴等は、読まなくて良いぞ(欠伸) | |
そりゃお前だろ(素) | |
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…ともかく歴史に興味のない坊主は放っておいて、説明に移る。中国の古典のことなので曖昧な部分もあるだろうが…ざっと順を追っていこう。「唐」「五代十国」時代を経て、北宋は建国961年(西暦) ~1127年までだ。太祖は趙匡胤。歴史家に云わせれば、この時代は芸術や文化が多大に発展した時代と云われているようだな…。まあ我が時代の徽宗皇帝も芸術家として名を馳せた人物であるし…高い文化水準を誇っていたとも言える。 |
ゲージュツねぇ……。 | |
興味ないんだったら、食いつかなくて良いぞ… | |
当時は「遼」や、後々「金」なんかも出てくるじゃねぇか。何回か侵略も受けてるし……北宋は金で平和を買ってた…なーんて云う奴もいるみたいだぜ? | |
確かに「西夏」には侵略されて(1105年)いるが、ちゃんと攻防しているぞ?それに外交が公然と行われていたという判断でもあるんだし。「北宋」の存在が買われていたって云う… | |
でも結局、「金」に侵略されて滅んだじゃねぇか。 | |
うっ…ま、まあそうだな…。先代からずーっと行われてきた領土の奪い合いは「北宋」でも納まらなかった訳だ。「北宋」が滅んでからは長江から南では「南宋」という国が建国されたが… | |
これもまあ、「元」に滅ぼされる…と。この時は「金」もろとも騎馬民族、モンゴル帝国の礎に一緒に揉まれちまうってわけだな。 | |
…そういう、身も蓋もないこというのは止めてくれないか(素) | |
だって「歴史背景の説明」なんだろ? | |
………。 | |
…うっ、わ、解ったから睨むなよ…(汗) | |
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でもまあ確かに「水滸伝」及び「ネリカナ」の時代は、北宋の末…北宋滅亡の一端を担っている背景だ。順風満帆に走っていた時代ではなく、緩んだ政治や奸臣共の台頭なんかが目立ってきた時だし…云えば、もう滅ばざるをえないところまで腐敗していた時代と言えるのかも知れない。きらびやかな世界とは裏腹に、国力は衰退していく一方だったんだ。 |
まあ、だから俺等「梁山泊」や、有名どころで云えば「田虎」「方鑞」と呼ばれる反乱軍が世を疎んじて決起したわけだしよ。反乱が起きるって事は、政治が悪いってコトだろやっぱり。 | |
おっ、たまにはまともなコト云うな。えらいぞー?(ナデナデ) | |
…頭撫でながら、その辺のワンコロ誉めるような言い方、やめてくれねぇか…(苛) | |
何にせよ、「ネリカナ」はこんな混沌とした時代を背景に持っている。開始時点では何となく安穏とした雰囲気だが……、徐々に窮した状況に陥っていくことになるだろう…。 | |
それァ、お前の人生もだろ!(爽) | |
……義兄といえど、事と次第によっちゃ…「殺意」だって芽生えるぞ?(素) | |
……うう、スイマセン。ホントもう、云いません。 |
この要所での案内人は俺、林冲が務める。わかりやすくをモットーとするつもりだが……まあ、「ちょっとおバカな坊主・魯智深」を配しているので彼に劣ることはなかろうかと思う。 | |
…なんか今、聞き捨てならねぇことを…。 | |
(素無視)ともかく、もし難解な点があれば遠慮なくメールで投書して頂きたい。しかしながらある程度「ネリカナ」に合わせた構成になっているようだ…実際の「北宋政府」との相違点も多々あるだろう。そこはご理解頂きたい。 | |
スゲェ、得手勝手な申し出だが…そこはまあ我が道を行くって事だな!雄々しいことだ。 | |
智深、ちゃんと話について来いよ!「観覧者代表」なんだからな!時には的確な質問も飛ばしてくるんだぞ?! | |
…えーと、何の話題だっけ? | |
……先が思いやられる……(溜息) |
今更な内容を論じなければならんのも辛いな… | |
良いだろ、何つっても俺らが生きてるフィールドなんだから、説明は必要なんだって!……俺のゴーストが囁いている…(笑) | |
(甲殻機動隊か?)…ともかく「水滸伝」については語らねばな。「水滸伝」というのは中国の四大奇書としても有名な伝奇武侠小説だ。約900年前の北宋時代を舞台とした物語。殺伐とした利己主義の政府に対して反逆を試みる…という下克上な内容だ。 | |
要は悪政に怒ったオッサン達が108人集まって、「いっちょ殺っとく?」って感じに… | |
ゆ・が・め・る・な(怒) | |
…た、短気だなぁ…(怯) | |
しかしまあかなり乱暴な方法で「物申す」と言ったことには違いないな。…かくいう俺もその一員だしな…まあ俺の場合は高官として政府に君臨する四姦の一人・憎き高毬(本来はにんべんに求)の首が欲しいだけなんだが… | |
俺はそれに便乗するわけだ。別に俺に憎いヤツはいないしなぁ…よく考えたら…まあ度々役人に殺されそうになってはいるから…あ、でも俺は自業自得でもあるしな…(爽快) | |
人、殴り殺したしな(素) | |
お前もだろっ!! | |
殴り殺してはいないぞ、槍で突き殺…(規制) | |
…まあ、深い内容に関わることは「ネリカナ」の本編を見て貰うことにしてだな…←怖いから逃げた | |
智深、お前は「ネリカナ」…「ネリヤカナヤ」の意味を知ってるのか? | |
……いや?(爽快) | |
知らないのかよっ!!! | |
沖縄の方で作られている焼酎にそんな名前の酒があるって言うのは知ってるぞ!(事実)…の、飲んでみてぇっ!!'`ァ'`ァ…('Д`;) | |
「ネリヤカナヤ」って言うのは奄美の言葉で「死後の楽園」のことだぞ。…よくよく考えたらもの凄い名前だな、酒にそんな名前とは…アルコール度が気になるところだ。←なにげにずれてきている人 | |
今度通販してみようぜっ、林冲!'`ァ'`ァ…('Д`;) | |
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そうだな、ネットでちょちょっと……じゃないぞ、智深!「ネリカナ」違いだ!あくまでうちで言う「ネリカナ」は水滸伝漫画のことだからな!俺が主人公の一枚看板の物語だ。ここの管理人が「水滸伝」を俺の視点で編集して書いている漫画のことなんだぞ!! |
うーん、それって美味しい…違った。面白いのか?(素) | |
…それは俺も知らない(素) | |
なら、そっちも通販してみて味わってみろってことだな!! | |
お、うまいっ!…座布団持ってきて!! | |
………って、違うっ!!!(俺はそんなキャラじゃない!) | |
お後がよろしいようで…。 |